2021.02.02

装飾用表面処理〈シルバー色〉

《シルバー色》
日本人は何故か白く光るシルバー色が好きなようで、広範囲にこの色が使われています。

「ユニクロメッキ」

正しくは「光沢クロメート」といいます。下地に電気亜鉛メッキを貼りフッ化物を含んだ溶液でクロメート処理を施します。クロメート被膜 はシルバー色です。耐食性は有色クロメートよりやや劣ります。

「ニッケルメッキ」

装飾用に広く用いられるメッキで、キラキラ輝く光沢を持ちます。 しかし、電気亜鉛メッキ+クロメート処理程の防錆力はありません。 耐食性と外観を向上させる為に、下地に銅メッキや下地用ニッケルメッキを貼り、その上に光沢剤入りのニッケルメッキを貼ります。 下地用ニッケルメッキは柔らかく、つきまわりが良好です。(弊社在庫品は銅下ニッケルを採用しています。)

「クロームメッキ」

下地用ニッケルメッキを貼り、その上にニッケルメッキを貼り、さらにその上にクロムメッキを貼ります。ニッケルメッキより重厚な光沢に仕上ります。耐食性が特に優れているため、大気中ではほとんど変色せず、長期の装飾性の維持が可能です。また硬度が高く、 耐摩耗性も良好です。 しかし、つきまわりが悪く、一度メッキした物を選別し、つきの悪い物はもう一度メッキをしています。

「バフクロームメッキ」

美観をさらに向上させるためメッキ前にバフ研磨をかけ、素地の表面を平滑にしてからクロームメッキを貼ります。 光沢は最良で鏡のように仕上ります。

「すずコバルトメッキ」

すずとコバルトの合金被膜です。クロームメッキの色合いに近く代用として利用されます。耐食性はクロームより劣ります。 しかし、つきまわりが優れているためクロームメッキよりはるかに量産が可能です。
2021.02.02

防錆用表面処理とは

元来、表面処理は鉄素地の錆を防ぐ為に施されていました。 その意味では、いわゆる生地に着いている油も表面処理と言えるかも知れません。

「パーカー」⇒防錆力 弱

「黒染め」および「パーカーライジング」の総称です。
どちらも油っぽくベタつきがあり、防錆力は「生地よりはまし」という程度です。「黒染め」は四三酸化鉄被膜で色が黒く、「パーカーライジング」 は燐酸塩被膜で、やや茶色です。また「パーカーライジング」は表面が平滑になるため通常、塗装の前処理として使用します。 弊社で「パーカー」として在庫販売しているのは「黒染め」です。

「電気亜鉛メッキ」⇒防錆力 中(電気亜鉛メッキだけだと 弱)

下地として使用され表面にクロメート処理などを施して耐食性や外観を向上させて使用します。

「クロメートメッキ」⇒防錆力 中

正しくは「有色クロメート」と言います。下地に電気亜鉛メッキを 貼り、その上に化成処理であるクロメート処理を施します。 クロメート被膜は黄褐色です。

「グリーンクロメート(オリーブメッキ)」⇒ 防錆力 中

下地に電気亜鉛メッキを貼り、燐酸系の溶液でクロメート処理をすると緑色になります。亜鉛+クロメートのメッキの中では最も耐食性が良好です。

「ドブメッキ」⇒防錆力 強

溶融亜鉛メッキ。ドロドロに溶かした亜鉛の中に“ドブ”っと漬けて着けるメッキです。また高温の液のなかで天ぷらの衣のようにメッキが着くことから、「天ぷらメッキ」と呼ばれたりもします。コストの割に優れた耐食性がありますが、メッキ厚はかなり厚く不均一で表面がデコボコしている為、ねじ山のゲージ管理はできません。また雌ねじの方はオーバータップにしておく必要があります。製品同士がくっついてしまうこともあります。(グレー色)

「ダクロタイズド」⇒防錆力 強

主成分の亜鉛とクエン酸を含んだ処理液に漬けて塗装した後、加熱し素地に焼き付けます。電気亜鉛メッキと比べ耐食性はもちろん耐熱性にも優れています。また工程中、酸を使わないので水素脆性の心配はありません。

「ラスパート」⇒防錆力 強

下地に電気亜鉛メッキを貼り、密着性を良くする化成処理をし、セラミック材を塗装した後、加熱し素地に焼き付けます。 耐食、耐熱性に優れています。特に耐酸性、耐アルカリ性に優れているため屋外用品に適しています。 (シルバー、ブラック、グレー色等、色づけ可能です。)

「ステンコート(ジンロイ+Kコート)」⇒防錆力 強

亜鉛-ニッケル合金メッキのジンロイを下地に光沢クロメート処理をしその上に無色透明の防錆コーティング剤のKコートを施します。 見た目も耐食性もステンレスのようになるので「ステンコート」と呼ばれています。黒色の「ブラックコート処理」もあります。 ステンレスの焼き付防止用コートと混同されやすいので注意が必要です。

「ストロンジンク」⇒防錆力 強

上記の「ジンロイ」と似ていますが、これは亜鉛-鉄の合金メッキ です。

「KMコート」⇒防錆力 強

通常のメッキを施した上に特殊なKMコート処理をし焼き付けます。耐酸性、耐熱性に優れ、自己潤滑性と耐摩耗性を有するので機械部品に適しています。

「ポリシール」⇒防錆力 強

3種類の特殊皮膜が積み重なった被膜構造になっており、耐食性、耐薬品性に優れています。また様々な色づけが出来ます。
2021.02.02

11Tの意味

‘110キロまで切れない’という最小引張荷重だけを表しています。

「8T」 →80キロまでは切れない
「7T」 →70キロまでは切れない
「4T」 →40キロまでは切れない
11T、8T、7T、4T などの強度区分は「降伏荷重」は表しません。
「11T」と「10.9」は“0.1の差”でほとんど同じと誤解されやすいのですが、実際には引張強さが110キロと100キロで10キロの差があります。

尚、〇〇Tという強度区分は、1999年4月1日で廃止となりました。
2021.02.02

12.9の意味

「12.9」とは数値ではありません。

小数点の左の数字と右の数字がそれぞれボルトの強さを表します。左の『12』が‘120キロまで切れない’という強さを表します。これを「最小引張荷重」といいます。右の『9』が‘120キロの9割→108キロまでは伸びても元に戻る’という強さを表しています(108キロを超えると伸びきって元には戻りません)。これを「降伏荷重」または「耐力」といいます。

変形しても元にもどる  → 弾性変形
変形して元にもどらない → 塑性変形

例えば、「ねじがバカになる」というのも塑性変形です。

「10.9」 → 100キロまで切れずに9割の90キロまで元に戻る
「8.8」 → 80キロまで切れずに8割の64キロまで元に戻る
「4.6」 → 40キロまで切れずに6割の24キロまで元に戻る

JIS規格では、次の10種類の強度区分が定められています。

3.6 4.6 4.8 5.6 5.8
6.8 8.8 9.8 10.9 12.9


力の単位は、1平方ミリメートルあたりです。
2021.02.02

ネジを締め付けると緩まないのは

「伸びたネジが縮もうとするから」です。

ネジは締め付けると目ではわかりませんがほんの少しだけ伸びているのです。その伸ばされたネジが縮もうとする力によって、ねじ山のはめあい部に摩擦力が発生してネジはゆるまないのです。ネジを伸ばそうとする力にどのくらい耐えられるかを表すのが「12.9」や「11T」などの「強度区分」です。
2021.02.02

ステンレスは溶接できるのか

溶接加工できますが、特別な配慮が必要です。

〇マルテンサイト系(SUS410など)
急冷による亀裂がおこりやすく、割れなどが発生することもあります。

〇フェライト系(SUS430など)
900℃以上に加熱された部分はもろくなります。

〇オーステナイト系(SUS304など)
溶接金属、および熱影響部の耐食性が悪くなります。
熱膨張率が大きいため、歪みや割れが発生しやすくなります。

なお、切削鋼のSUS303は、溶接には向きません。
2021.02.02

パシペート処理とは

酸素よりさらにCr(クロム)と結びつきやすい硝酸を使って人工的に酸化クロムの膜をつくる処理です。 「SUS410」の熱処理製品の不働態化以外にも、クロム・ニッケル系ステンレス製品の加工度合の大きい部分の黒ずみ除去にも使います。
(タッピンネジの首のつけね・先端、CAPの6角穴etc.)

<参考>
ブライト処理とは?

アルカリ洗浄後ワックスで仕上げる処理。
加工度合の小さい製品(ex.小ネジ)におこないます。
2021.02.02

窒化熱処理とは

真空炉に窒素を多く含むガス(アンモニアなど)を入れ、約500℃ で50~72時間加熱します。すると、表面に窒化層ができます。 窒化層自体が硬いので焼き入れや焼き戻しは不要です。

「SUS410」を熱処理するとCr(クロム)は炭化クロムや窒化クロムに変化して少なくなってしまうので、ステンレスの表面を保護する酸化クロムの膜が十分にできなくなります。ですから、人工的に不働態化させる必要があります。 この処理を「パシペート」といいます。
2021.02.02

SUS410とは

熱処理するためのステンレス鋼です。
マルテンサイト系で鉄が約87%と多く、その中に含まれるC(炭素)も多いので熱処理が出来ます。 セルフドリリングスクリューやタッピンネジに使用されます。

一般の熱処理では、ステンレス鋼の場合、Cr(クロム)が炭化して黒く、もろくなってしまいます。ですからステンレス鋼には、「窒化熱処理」を行います。
2021.02.02

SUS316とSUS316Lの違い

SUS316を加工しやすくしたステンレス鋼がSUS316Lです。 SUS316は、硬い金属(Cr、Ni)が多く含まれていて、かなり加工しにくいステンレス鋼です。 そこで、炭素の量を低くすることですこし柔らかくなり加工しやすくなります。

「L」はローカーボンを表します。

SUS316  = Cr18%+Ni12%+Mo2%+C(0.08%以下)
SUS316L = Cr18%+Ni12%+Mo2%+C(0.03%以下)

SUS316とSUS316Lの大きな違いはC(炭素)の含有量ですが
SUS316Lの「0.03%以下」というのは
SUS316 の「0.08%以下」に含まれます。

ネジやボルトなどで316の注文に対して、316Lを納品することは問題ありません。