2021.04.07

ネジはどのように作られるのか?

私たちの生活に欠かせない「ネジ」は、一体どのような方法で作られているのでしょうか。とても小さなネジですが、実は様々な方法によって生産されているのです。主な加工方法は、次の4つに分かれます。

冷間圧造

冷間鍛造機械などを用いて、常温で一定の力を加え続ける塑性加工によってネジを成形する方法です。素材を加熱せずにそのまま加工するため、熱による歪みが少なく加工精度が高いのが特徴です。
他の加工方法と比較して、材料のロスも少なくなります。さらに金型を用いて成形するため、製品の品質を均一化しやすく、加工スピードも速いというメリットがあります。ネジの大量生産においては、最も採用されている方法です。

熱間圧造

素材を加熱してから加工する方法で、高温圧造とも呼ばれています。材料を一定の寸法に切断し、加熱炉で熱を加えた後、熱間油圧プレス・ムトンなどの鍛造機械を用いて成形します。
材料に熱を加えると柔らかくなり、加工しやすくなるという性質を利用した方法です。ただし、あまり高温で加熱すると材料が溶けてしまうため、適切な温度を選ぶことが重要となります。

温間圧造

連続自動加熱装置を用いて、材料を再結晶温度以下の温度(200~300℃)で加熱することによって成形する方法です。冷間圧造でも熱間圧造でも、形状や加工精度などの面で圧迫することが難しい場合に用いられます。ステンレスボルト・ナットの非磁性を維持するため、加工硬化を防止するためには、圧造する直前に電気抵抗加熱機で瞬間的に加熱する必要があります。

切削加工

切削工具を用いて材料を切る、削る、穴を開けるなどの方法で、形を作っていきます。挽き物、削り出しとも呼ばれています。部品の形状や数量、精度などの制約から冷間圧造が難しい、もしくはコスト面で不利な場合に用いられます。
大量生産には向かず、加工によって屑が発生したり、歩留まりが悪くなる場合があります。しかし、少ロット生産やサンプル品に対応しやすく、様々な形状のネジを加工できるのがメリットです。