2021.02.21

JISステンレス鋼の性質と用途

ステンレス

分類
種類の記号
概略組成
素質と用途
オーステナイト系
SUS 303
18 Cr-8 Ni-高S
被削性、耐焼付性向上。自動盤用として最適。ボルト・ナット。
SUS 304
18 Cr-8 Ni
ステンレス鋼・耐熱鋼として最も広く使用。食品設備、一般化学設備、電子用建築、家庭用品。
SUS 304L
18 Cr-9 Ni-低C
304の極低炭素鋼、耐粒界腐食性に優れ、溶接後熱処理出来ない部品類。
SUS 304N2
18 Cr-8 Ni-N-Nb
304にN及びNbを添加し、同上の特性をもたせた。用途は304N1と同じ。
SUS 304J3
18 Cr-8 Ni-2 Cu
304にCuを添加し、冷間加工性と非磁性を改善。
SUS304とSUSXM7と中間成分で、冷間加工用ボルト・ナットなど。 
SUS 305
18 Cr-12 Ni-0.1C
304に比べ、加工硬化性が低い。へら絞り、特殊引抜き、冷間圧造用。
SUS 305J1
18 Cr-13 Ni-0.1C
305の低炭素鋼で、CrとNiの量を調節した加工硬化性が低い改良鋼。
冷間圧造用など。
SUS 309S
22 Cr-12 Ni
耐食性が304より優れているが、実際は耐熱鋼として使われることが多い。
SUS 310S
25 Cr-20 Ni
耐酸化性が309Sより優れており、実際は耐熱鋼として使われることが多い。
オーステナイト系
SUS 316
18 Cr-12 Ni-2.5 Mo
海水をはじめ、各種媒質に304より優れた耐食性がある。耐孔食材料。
SUS 316L
18 Cr-12 Ni-2.5 Mo-低C
316の極低炭素鋼、316の性質に耐粒界腐食性をもたせたもの。
SUS 316N
18 Cr-12 Ni-2.5 Mo-N
316にNを添加し、延性の低下を抑えながら強度高め、材料の厚さ減少効果がある。耐食性の優れた強度部材
SUS 316LN
18 Cr-12 Ni-2.5 Mo-N-低C
316LにNを添加し、同上の特性をもたせた。用途は、316Nに準じるが、耐粒界腐食性に優れる。
SUS 317
18 Cr-12 Ni-3.5 Mo
耐孔食材が316より優れている。染色設備材料など。 
SUS 317L
18 Cr-12 Ni-3.5 Mo-低C
317の極低炭素鋼、317に耐粒界腐食性をもたせたもの。
SUS 321
18 Cr-9 Ni-Ti
Tiを添加し、耐粒界腐食性を高めたもの。装飾部品には推奨できない。
SUS 347
18 Cr-9 Ni-Nb 
Nbを含み、耐粒界腐食性を高めたもの。
SUS XM7
18 Cr-9 Ni-3.5 Cu 
304にCuを添加して冷間加工性の向上を図った鋼種。冷間圧造用。
フェライト系
SUS 405
13 Cr-Al
高温から冷却で著しい硬化を生じない。タービン材、焼入用部品。クラッド材。
SUS 430
18 Cr
耐食性の優れた汎用種類。建築内装用、オイルバーナー部品。家庭用器具。家電部品。
SUS 430F
18 Cr-高S
430に被削性を与えたもの。自動盤用、ボルト・ナット類。
マルテンサイト系
SUS 403
13 Cr-低 Si
タービンプレート及び高応力用として良好なステンレス鋼・耐熱鋼。
SUS 410
13 Cr
良好な耐食性、機会加工性をもつ。
SUS 420 J2
13 Cr-0.3C
420J1より焼入れ後の硬さが高い種類。刃物、ノズル、弁座、パルプ、直尺など。
SUS 440 C
18 Cr-1C
すべてのステンレス鋼・耐熱鋼中最高の硬さを持つノズル、ベアリング。
析出硬化系
SUS 630
17 Cr-4 Ni-4 Cu-Nb
Cuの添加で析出硬化性をもたせた種類。シャフト類、タービン部品、積層板、スチールベルト。